校長コラム
令和6年度 校長コラム1
【新入生オリエンテーション校長講話より】
入学おめでとう。
入学式でも話しましたが、入学までには各家庭でそれぞれ物語があったはずです。最初から第一希望だった人。併願だった人。迷って最後の最後に決めた人。しかし、この縁は決して悪くない。過去のことより、これからの本校での生活です。皆さんここをスタートとして頭を切り替えて頑張りましょう。
皆さんの多くは100歳近くまで生きる人たちです。人生はいつでも学べるが、中高の時の効果は大きいものがあります。柔軟体操のようなもので、年取ると体も固く、様々なことに時間がかかる。若く、柔らかいうちに多くのことをしておいたほうが良いに決まっています。
教室に掲げてある本校の校訓も「若き日に豊かに知性を磨き、美しく心情を養い、逞しく身体を鍛えよ」となっています。これも若い日に学ぶ有効性を述べています。
『もし高校野球の女子マネージャーがピータードラッカーのマネジメントを読んだら』という本が十数年前大ヒットしました。「もしドラ」と略されていました。ピータードラッカーというのは世界的に有名な経営学者です。いずれまた聞く名前ですので覚えておいてください。彼は現代がノレッジソサイアティ(知識基盤社会)と早くから言っています。知識ないところには幸せもないし損もするという考えです。
例えば、最低限の医療知識がなければ医者はきちんと相手にもしてくれない。税金にしても年金のことにしても知らないと損をする。税金だって還付もされない。わざわざ教えてくれない。また健康のこと、政治的なこと、文学的な教養、語学的な教養、世界の地理や歴史、栄養学、運動技術、PCリテラシーなど、幸せに生きるために皆大切な知識である。
しかし、それらを学ぶには、英語の学校や料理学校、教養講座、PC教室など、それぞれの場所へ行き多くのお金を払わなければならない。それを一ケ所で学べる所があったら便利だと思いませんか。あります。それが学校です。
皆さんは物心ついてからずっと学校だから気づかないかもしれないが、視点を変えれば、本当にありがたい場所である。すべてそろっている学校を利用しない手はない。頑張らない人の気が知れない。学校は宝の山です。
西武台千葉中・高はあるレベル以上の学校です。しかし、皆さんは今後さらに伸びなければならない。例えば、100m競争でいえば、皆いろいろなフォームで、センスだけで13秒を切ってきた人たちです。ところが大学進学などの今後の進路実現に向けては11秒台で走れ!いう話です。そうなると、勝手なフォームで走っていた人は、伸びない。そのうちにいやになる。あきらめる。
陸上部の人を見てみると、どうでしょうか。フォームが皆美しいでしょう。こういうきちんとしたフォームで走る訓練があるから速く走れるようになる。13秒まではセンスだけでOK。しかしこれからは11秒で走るためのフォームづくりが必要です。それは先ず基礎固めから始まります。今までのフォームも直され、いったんスランプに陥ることもあると思うが、そうで
ないときれいなフォームは作れない。
今行われているオリエンテーションはすべて新しく、11秒になるフォームづくりのためにだ
と思ってください。
また、皆さんに今後持ってほしいのは、クリティカルシンキング(批判的思考)による問題発見能力と探究への心構えです。どうして?と考えてみる。常識を疑う。その心構えがある人と、考えずに過ごす人では、人生で大きな差がつく社会になっています。
それでは、これから皆さんが3年後または6年後すばらしい成長を遂げていることを期待しています。